重度事例詳細1

工程1
重度修理工程12つ重ねの箪笥です。
古い金具を外した状態の修理前です。
過去に削り直しされたようで、正面に貼られた材料が薄くなっており、
新しく柾材で材料を張り直しさせていただくことにしました。
しっかりと材料を張り直すことで、また仕上げ直しのできる箪笥に生まれ変わります。
工程2
重度修理工程2機械で、貼ってあった古い材料を削りおとします。
調整し終わったら、削りすぎないよう手鉋で本体棚との平らを微妙に引出しを出し入れし、調整していきます。
新しい材料を張る前にきっちり正面の平らを出しておく事で、新品のような仕上がりになります。
工程3
重度修理工程3本体の正面に新しい材料を張ります。
まず本体の平面を平らに整えます。
次に引出しと本体の平面を整えます。
引出しを出し入れしながら、鉋でで薄く薄く削り、平面が綺麗にでているか確認しながら、
出しては削りを繰り返して、仕込んでいきます。
工程4
重度修理工程4本体と引出しとが、ぴったり平面になり一枚の板のように仕込みます。
ここから引出しに新しい正面材(柾材)を張ります。
桐箪笥は、引出しを引くと本体の奥にコマというものが貼ってあり、 最終的に引出しの正面の平滑具合をコマの大きさで微調整します。
引出しの正面が本体と平面になっていないと、本体と引出しに凹凸のある桐箪笥になってしまいます。
さらに新しい材料を貼った後も微調整の鉋削りをします。
新材は厚みが均一に仕立ててあるものを張るのですが、 のりで圧着をし材が水分を含み、多少動いてしまうためです。
その新材の動いた分のずれをまた鉋で仕込むのです。
平面出しとの永遠の戦いです。
工程5
重度修理工程5きれいに仕上がりました。
新しい材料の貼り終わった写真を撮り忘れてしましました。
貼り終わって仕込み終わるとどうしてもすぐに色付けしたくなってしまい、 写真を撮り忘れてしまいます。
ですが、仕上がりは新しい金具も付き、もう新品そのものです。
正面材の張り替えをすると、引出しと本体の調整もできますので、 隙間が消え本当に新品のようになります。
私の張り直した箪笥は横から斜めから見ていただきたいと思います。
感動していただけると自負しております。
色付けは焼きの時代仕上げで赤墨色です。